お客さんにスタジオの防音性能をみてもらう(設計事務所による分離発注)

  • -
    コピー
設計事務所による分離発注について

設計事務所は工事金額など施工という縛りから離れ
第3者的立場というポジションでいなければならないと
私は考え、クライアントが専門業者に対し分離発注で行い、
設計事務所が工事監理と工事管理の二つの業務を兼ねて行うことは、
私は邪道と考えている。
分離発注の場合、アフターメンテナンス、専門業者による責任諸問題、
見積落とし、借入支払問題などさまざま諸問題が山積みになる。
そのリスクのほとんどを施工業者が、受け持っている。
分離発注の場合その大半のリスクをクライアントが背負わなければならない。
ただ、クライアントがそのリスクを十分に理解し受け入れるのであれば、
クライアントは、

● 支払い方法や資材流通によるコストダウン

● 住宅をつくる楽しみ

などさまざまなメリットを得ることが出来る。

なぜ分離発注をしているのか

設計事務所として業務をしているとコストを含め何かしら
施工会社(工務店)に対し無理を強いなければならない。
特に建設費が1000万円台の住宅の場合施工会社(工務店)に
コストを下げるための要求は厳しくなる。
施工会社に赤字覚悟で工事を請けさせる手段もあるが、
私は、人道的な観点からなかなかそれはできない。
よって私は、コストを下げるためには、
分譲住宅などの下請けも手掛け、
専門業者のコストを抑え、また
極力経費をかけない個人で経営を
行っている施工会社(工務店)
に、施工をまかせるべきだと考えていた。
このような施工会社(工務店)の工事監督は、工事監督と言うには
高いレベルは期待はできないが、コストバランスから考えれば
十分に満足できる。

ところが、
個人で経営を行っている施工会社(工務店)
に住宅の施工をお願いしている最中に倒産という
最悪の結果になってしまった。
あまり、銀行の借り入れにたよらず専門業者への工事の支払いを、せず
借金がふくらんだとしうことだ。

ある程度コストが許される住宅やの場合であれば
倒産というリスクを避け完成保証をもったそれなり
の施工会社(工務店)にお願いすることもできる。

そんな住宅ばかりではない。

建設費が1000万円台~2000万円前半の住宅であれば
クライアントが分離発注によるリスクを受け入れる
ことができるのであれば、
設計事務所による分離発注することにより
工務店が倒産というリスクを、回避することが
出来る。

そんな選択肢も必要であると私は考えました。

分離発注をすることにより流通コストはさがるのか?

分離発注により流通コストマージンを省きコストはさがるか?
私はクライアントにメリットがあるほどコストは下がらないと考えている。
ひとつ購入するより10購入するほうが、10購入するより100購入するほうが
コスト下がる。
一般的に大手ハウスメーカーが専門業者に発注する施工費は
年間数件ほど手掛けている施工会社(工務店)が専門業者に発注する施工費の2/3
くらいである。
ひとつひとつ発注するより年間30棟ほど手掛けている施工会社(工務店)が発注
するほうが原価はさがる。
よって分離発注により流通コストマージンを省いたことによるコストは目に見えてさがることはない。

でも、分離発注によりコストダウンはできる

分離発注によるコストダウンは現金支払いによるコストダウンであると
あると私は考えている。
私の経験であるが専門業者が小さければ小さいほど特に建材資材業者に
おいては現金前払いであればかなりコストについて交渉しやすい。

 


 

 今回専門業者に対し分離発注でやらなければならない事情があり
分離発注で業務を行っている。
設計監理業務もそれなりの経験がなければ出来ない
工事管理業務もやっぱりそれなりの経験がなければ出来ない。
今回分離発注にて業務を行ってみて
分離発注なんて軽はずみでできないと痛感する。
分離発注でなんとか2棟物件を同時に動かしたが、
遠方で新築で請負金額が2200万円
超えてくると、難しいだろうなという感触である。
ちなみに大草の家(≒40坪)
は 開発工事 外構 カーテン 照明 防音工事 もろもろ
直営方式での工事請負金額を足すと 2300万円~2400万円
くらいと思われる。

現在の時代においてはローコスト住宅とは言い難い。

このくらいになってくると、直営方式でしてみると難しいな
と実感する。

請負金額2000万円以下だとあまり設計事務所に頼むメリットも
あまりないのが現実で、その対応策として、
お客さまは分離発注で検討するのも一案かなと私は思う。

おきゃくさんにドラムをセッティングしてもらう。
念の為防音性能を確かめてもらう。
外部に対して土間仕上げ未完の状態で隙間もかなりあるが、外部ではかってみると
既に、30dbを超えた防音性能がある。
内部に関してあまり防音性能を期待していなかったこともあり
PANAの防音ドアを入れているが、
それでもあまり苦にならない程度のドラムの音になった。
内部に対して一応2重扉にする予定でこのPANAの防音扉に
プラスして建具屋さんで作成した防音扉を取り付ける。

 

どうも電気配線が漏電していたようで、誰がどうしてこうなったのか
さっぱりわからない。
まず事故が起こらないリスク回避
事故が起こった時のリスク回避
工務店の担当者さんの対応が試される時ですが、、、
今回誰もいないので、私が対応する。
このようなまれに事故の時責任問題が直営方式のリスクである。
マル工房の社長さんが手直しに来てもらった。
よろしくお願いいたします

 

  • -
    コピー

この記事を書いた人

kengoimai

イマイケンゴ
愛知県名古屋市で今井賢悟建築設計工房という建築設計事務所を営んでいます。ハウスメ-カ-やディベロッパ-に勤めていたけれど、30半ばにして、フリ-ランスとなってしまいました。
なにとぞよろしくお願します!!