弊社に依頼される建築物は 用途においては福祉施設や事務所、構造においては鉄骨や鉄筋コンクリ-トのご依頼もありますが、木造2階の一戸建て住宅が、どうしても多くなります。

 当初は、あまり仕様など一律ではなく予算や要望によって多岐にわたっていましたが、何とな-く使用する素材やその使い方はたまた空調やその考えかたが固まってきました。

 それで!!2階の一戸建ての住宅に仕様についてですが 

質感があり シンプルな納まり おおらかな空間も求めていて、省エネや、耐久性もそれなりにこだわりますが、やっぱりデザイン性もこだわっていきたいと思います。

構造について

自社ではなく外部の構造設計事務所に依頼し構造計算をしております。
基本的には、耐震等級3を目安にしております。
弊社ではスキップフロア-が多く、仕様規定上2階床部分の耐震等級の計算がなかなか困難となります。またまれに大きな吹抜をつくりますのでその場合も同様となります。
 長期優良住宅や住宅性能証明(耐震等級)をご希望のお客様の場合は心苦しいのですが、2階部分のスキップフロアーをお断りしております。しかし2階のスキップ部分を同一高さとモデル化して耐震等級の検討はいたしております。

省エネについて

パッシブハウスほどの性能は求めていませんが、Ua値0.7以下にはしております。
ほぼUa値は0.6~0.67におさまっており 今後はUa値0.6程度にしていきたいとは考えております。
建具工事による造作開戸、造作引戸を採用が多く気密測定には検討の余地があります。
全館空調を多用しているため一次エネルギ-消費量が増加する傾向にあります。
屋根断熱は 押出法ポリスチレンフォーム保温板
外壁断熱材 吹付硬質ウレタンフォ-ム
床 基礎断熱材 押出法ポリスチレンフォーム保温板
を使用しています。今後は価格も含めメ-カ-等も精査していきたいと考えております。

意匠について

空間

2階や平屋の小屋は勾配天井として登り梁、化粧タルキ 化粧野地板にて提案していることが多いです。
全館空調を使用する場合配管ル-トの確保するため1階の天井は、水平天井で梁を見せずに提案しています。低い水平天井と吹抜部分の勾配天井とが重なりあう空間となります。
屋根断熱で2重タルキにすることが多いため小屋の通気には神経を注いでおります。

玄関ドアや金属建具

 玄関ドアは大工さんにて枠を作成し建具屋さんにて建具をつくっています。
防火規制がかからない地域の場合、リビング空間などメインの場所においては同様木製建具使用していますが、全館空調を使用する場合気密も考慮に入れ木製枠にペアガラスとアルミサッシの組み合わせで仕上げるよう努めています。


内部建具

シナ合板 ナラ突板 タモ突板 ポリ合板の造作建具を使用しています。
予算が許せば無垢の木製建具にしております。

素材

外壁はモルタル ガルバリウム鋼板 レッドシダ-など木の羽目板
床材はヒノキ 杉 ナラ アッシュ 等の 無垢の床材
リビングなどメインの居室には塗ったり塗装したりの漆喰や木の羽目板等
居室には、EP塗装 紙クロス 予算の関係でビニ-ルクロス等を使用しています

設備

キッチン

自分はキッチンや設備に特別なこだわりがありませんが、設計事務所という立場所以か、オ-ダ-キッチン業者によるキッチンや家具製作によるキッチンが多くなってます。
また、メ-カ-によるキッチンにおいてもお客様からガゲナウ ミ-レなどの食器洗洗浄機、電子コンベックの要望が多くメ-カ-さんを困らせております。
 空間に吹抜があったりして結果換気扇を渡辺製作所さんに特注対応お願いしております。

洗面化粧台

洗面化粧台や手洗いは、コストが許せばメ-カ-品を使用することはなく、ボールと水栓を購入し家具工事にて化粧台を製作しております。

トイレやその他においては特定のメーカーを決めておりませんので、予算とご意向に応じて柔軟に対応します。

空調

ダクト式1種換気との組み合わせによる全館空調をご要望されるお客様が増えてきました。
全館空調の場合今のところダイキン製の業務用空調機を使用しています。
設計事務所という立場所以か、暖炉の採用も多く今後この組み合わせも検討が必要と考えております。

他に輻射式冷暖房や一般的なハウジングエアコンも採用しております。
ランニングコストの高い床暖房等は、現在のところ採用しておりません。

基礎ベタ基礎
ヒノキ 杉 一部集成材
米松 杉 KD 一部集成材
玄関建具木製造作建具
内部建具木製造作建具
金属建具アルミサッシ サ-モスⅡ‐H
換気ダクト式一種換気(全館空調採用時)
三種換気
外壁モルタル吹付、木材羽目板、ガルバリウム鋼板など
屋根ガルバリウム鋼板、瓦など
内装壁漆喰、木材羽目板、紙クロス 塗装仕上 ビニ-ルクロスなど
床材無垢材(杉、ひのき、オーク、タモ) 土間の場合モルタル タイル など
水回りフロアタイルを使用する場合もあります
天井材漆喰、木材羽目板、紙クロス 塗装仕上 ビニ-ルクロスなど

ハウスメ-カ-に勤めていたころ、使用材料は オリジナル商品で占められていました。
ドアノブ一つ交換するにしても依頼したハウスメ-カ-に依頼するしか術がなく、お客様には多大なるご迷惑をおかけしておりました。
これだけウェブの世界がこれだけ発達した今、特別な商品を除いて頼んだハウスメ-カ-でなければ購入できない・・・というのは如何なものか?消耗品である水回り、建具の丁番などは、ウェブや、町の水道屋さんや建具屋さんで気軽に交換できるのが良いんじゃないか・・

 手入れの要らない家とか、エネルギ-コストがかからない家というのもよいんだけれども、流通性の高い部材を使用していることも大事じゃないのかな・・・と自分は考えています。

そうすることによって家は長く継続的に使用できるよ-な気がします。